7、シベリア横断道路|極東の道路設計

いろんなサイトで公開されていると思うがシベリア横断道路は基本的にこの2車線道路である。

高速道路はない。あの数万キロに及ぶ横断道路を高速部分から一般道まで全てこの2車線でまかなっているのだから超合理的思考の人種としか言えない。

道路の幅は日本の一般道より広い。東名高速並みの幅がある。その設計は絶妙で、左右に微妙な幅の舗装部分があるのが見えるだろうか。その横はなだらかに傾斜しながら整地された砂利、そして土になる。ガードレールはほとんどない。

さて、120キロ以上で走る自家用車、100キロで走る大型トラック、80キロで走る旧式のロシア車やバイクなどが混在して走るこの道路の使い方だが、追い越しは当然反対車線にはみ出して行う。横断しているとこの追い越しの光景は何千回と見ることになるし、自分も数百回は追い越しをした。それでも追い越しを失敗して正面衝突をしている光景はみなかった。それはこの道路設計が優れているのではないかと思っている。

自分が追い越しをしている際に対向車が来たら、追い越されている方は白線より右に移動する。対向車も同様に右に移動。乗用車同士であれば少しのハンドル操作で3台がすり抜けられるよう出来ている。トラック同士であれば、砂利まで移動することですり抜けられる。

が、現実的には100キロ以上でのすり抜けは最後の手段なのでドライバー達は暗黙のルールで、上手に譲り合うことになる。その譲り合いのルールは日本より厳格なのではないかと思うくらい、たった2車線しかない道路で速度の違う車がスムーズに追い越しを完了する。

ウラジオストクから道路事情になれるまでの200キロくらいまでは緊張したが、その後は順調に進んでいった。