16、チタ・バイカル湖ラインの事件

チタ・バイカル湖ラインは、思ってみないとんでもないことが起こる。

最初に見たのはこれだった。正面に不気味な煙が見える。

最初は農家の焚き火かなと思った。それにしては大きな煙だった。対向車線の車は逃げるように高速で走ってくる。嫌な予感がしながら走っていくとまだまだ遠くの煙だったので、どこかの家の火事かなくらいに思っていた。

車は平坦な道からどんどん山道に入っていく。煙は一旦見えなくなったので通り過ぎたのかなと思ってドライブしていた。そのうち、車内がなんだか変な臭いがしてきた。

山火事だった。

本物の山火事を生まれて初めて見た。横を通り過ぎるだけでも恐ろしかった。消火活動に消防隊が数名が派遣されていたが焼け石に水状態だった。下草にメラメラと火がついているよりも木に燃え移っているのがゾッとした。車はまだ通行止めにされておらず普通に走っていた。火気厳禁のガソリン満載のタンクローリーとかが来たらどうするんだろう。箱庭のような安全で幸せな日本との違いをまざまざと感じながらはやくここを抜け出したかった。