5、ユーラシア大陸横断|車 バイク 費用 日程

広大なロシアを横断する方法はいくつかある。

ユーラシア大陸横断 ロシア横断日程

列車での横断、車やバイクでの横断、ヒッチハイクや自転車での横断。どれも楽しそうなので時間とお金と体力で決めたい。ロシア横断は、列車で10日間、車で3週間、バイクだと1ヶ月半くらいかかると考えておくと余裕をもって横断できる。(最短でいけば、列車1週間、車2週間、バイク1ヶ月)

列車の旅だと同室の人と話したり、食べたり、飲んだりしながら車窓から流れる景色を眺めていける。このシベリア鉄道、実は横断道路とかなりの距離を並走していてたびたび車と一緒に走ることになる。

 

一方、車やバイクでの横断は、男子の夢や浪漫がギッシリ詰まった旅になる。体力に自信があればバイクで、なければ車をおすすめする。ただバイクでの横断は国内ツーリングより遥かにレベルが高いので、車で横断した僕はバイクで横断する彼らのことを真のユーラシア横断者と呼ぶ。

 

ユーラシア大陸横断 バイク

使用するバイクはBMW、ホンダ、スズキが多く、排気量はほとんどが大型車以上だった。中には125ccのスクーターもいたが、250cc以下の小排気量車での横断は、あの過酷な道路状況でのツーリングはおすすめできない。実際小排気量車は転倒やリタイヤも含め総じて苦労していた。

アドベンチャータイプが8割、オフロードタイプが1割、その他1割なので、もし、もう一度自分(身長167cm)がバイクだけで行くとしたら、BMWのF750GSかホンダのアフリカツイン1100、NC750X・CB400XかスズキVストローム、日本製アメリカンタイプの4択になると思う。これらを選んだ理由はロングツーリングに必要なオプションが豊富にあって、純正で足つき性のいいローダウンタイプがあるからだ。オススメはホンダかBMW。一旦道路からはずれれば全て未舗装のロシアでは身長に合っていないシート高のバイクは常に立ちごけの心配がつきまとう。ネイキッドやスーパースポーツでも可能だが、1万キロ近くを無事に走り抜けるには大型のスクリーンやトップケースやパニアケースなどがないと厳しい。

ロシア・ヨーロッパだけのユーラシア横断なら予備燃料タンクや予備タイヤは必要ない。中央アジアを横断するためにロードバイクに予備のオフロードタイヤをつけて走っている人いるが、それならば最初からオフ向けアドベンチャーで走ったほうがいい。

ロシアをはずれて、モンゴルやカザフスタンなどの中央アジアを走破するとなると一気に難易度が上がる。バイク選びがオフロード向けのアドベンチャーに変更されて、F850GSかテレネ700、KTMの790ADV、アフリカツイン1100等になる。オススメはヤマハ・テレネ700かな。ただし、オフ向けアドベンチャーはオフロードの経験がない初心者はやめたほうがいい。本格的なアドベンチャー仕様は、燃料タンクを含めて車体が大きく、がれ場や湿地を渡るためにシート高が高く、エンジンや車体強度を上げるために価格も倍くらい上昇する。車体サイズ的に175cm以下の小柄な人や体力のないシニアライダーには厳しい。道も延々と続く悪路になるので、相当なオフロード経験がなければおすすめしない。万一事故をしたら、日本と違い救急車がすぐにはこない。救急体制のあるロシアでさえ怪我をした横断者達は半日以上事故現場で耐えている。見渡す限り誰もいない中央アジアでは一歩間違えれば野垂れ死にが待っている。

予算の都合上で250ccクラスでモンゴル・カザフスタンを横断したいとなると候補にあがるのが、Vストローム250やヴェルシス250などの250ccアドベンチャーだ。だが、このクラスは北海道などの国内林道向けと考えておくほうが無難で、ハードな中央アジア横断に持っていくのは危険。オフロードバイクのCRF250ラリー、セロー250、KLX250だと悪路の走破性は高いが、パーツが華奢なのと積載量が少ないのと航続距離が短いので、最低限の荷物にまとめるキャンプ経験や足回りやエンジンの修理に慣れていないと厳しい。

いずれにせよ一人でのバイクでのモンゴル・カザフスタンの中央アジアの単独走破は危険すぎてお薦めできない。できればキャンプやオフロードに慣れたライダーが2人以上で、さらに万全をきせば四駆のサポートカーがほしい。

今回一緒にフェリーに乗ってきた外国人達のバイクの装備を見ると、ハイスクリーン、エンジンガード、ナックルガード、両サイドに大容量パニアケース・トップボックス、メインスタンド、外部ソケットをつけている。最低限この装備が純正オプションにない車種は横断用には向かない。さらに欲を言えば、グリップヒーター、防犯アラーム、フォグランプ、ハンドルカバーも欲しい。ロシア入する前に、タイヤ、各部オイル、チェーンなどの駆動部、バッテリー、電球等はすべて新品にしたい。

装備は、夏に2000キロ、冬に2000キロほど走ってチェックしたい。その両方が必要になる。特に雨対策は重要なので何度も走行してウェアを厳選したい。

バイクウェア等の装備だが、旅行時の安全を守る大切なツールだ。ヘルメットはアライかショウエイのフルフェイス。喋ったり、飲食に便利な前開きシステムヘルメットも外国人に人気だ。おすすめはショウエイのZ-7、軽く長時間走行でも疲れず、ヨーロッパの高速走行でも左右にぶれない。ジャケットとパンツ、ブーツはアドベンチャー走行を深く理解している海外ブランド品かバイクメーカー品をお勧めする。高級品ならイタリアのダイネーゼアルパインスターだが、オランダ製で価格が安く本格的なREVITレブイットもオススメ。ブーツは特に重要で雨に強く、転倒したとき足をバイクに挟まれても大丈夫なものを選びたい。こちらも海外製をおすすめしたい。

ユーラシア大陸横断 車

車の場合、ロシア横断コースならば軽自動車でも可能だ。右ハンドルも気にならない。普段、自分が使っている車をそのまま持ち出して横断できる。スポーツカーだと厳しいが、車中泊ができるスペースがあれば快適な旅になる。ただし、バイクと同じように中央アジアコースになるとランクルなどの本格四駆になる。僕が中央アジアを車で走破するならば、ランクル、パジェロ、ハイラックス、ジムニーシエラにする。中央アジア横断を考えている人は乗用車タイプのSUVはやめておいたほうがいい。

ユーラシア横断では、一気に何万キロも移動するので消耗品代もばかにならない。主にタイヤ、オイル、バッテリー、電球など。横断車両は故障したときに時間とお金がかかるので、古い中古車はやめたほうがいい。できるだけ新車に近い状態で各部の消耗度がわかっているものを選びたい。

車のオプションでは、ルーフボックスがおすすめ。車本体の盗難対策にはハンドルロックとアラームが有効だが車上荒らしに無抵抗なので大事な物はルーフボックスにいれたい。安全面ではリアウィンドウのスモークやバックモニター、フォグランプが欲しい。タイヤはアルミホイールであれば純正で充分。タイヤは新品をつけたい。長距離移動なので腰痛対策にシートクッションは必須。首、腰、尻の3点セットのジェルタイプがおすすめ。ポータブルバッテリーなどの車中泊用のアウトドアグッズは一通りあると便利。本格的なキャンピングカーで横断するのはいいアイデアだが路面状況が悪いのでおすすめできない。路面にあいた大きい穴に数百回落ちるので、よほど頑丈な作りでない限り車体がもたない。

ユーラシア大陸横断 予算

横断に関わる費用はピンきりになるが、どうしても毎日かかるのがガソリン代、宿泊費、飲食代。行程の半分を占めるロシアは総じて日本の半分くらいだと思っていると予算がたてやすい。ヨーロッパは平均してほぼ日本と同じ。(スイスは倍、フランス、イギリス、ドイツ、北欧は1.5倍、東欧・南欧は2/3)。それに、車両の消耗品代、修理代と日本へ車両の輸送と本人の帰国にかなりの費用がかかる。特に車両の日本への輸送が一番問題なのでまずはある程度ここをクリアしてから予算組をしたほうがいい。

車やバイクで大陸横断する予定で100万円以下しか予算がなければバックパッカーが無難。電車やバスと違って車やバイク移動は思ったより予算がかかる。野宿や食費を切り詰めると可能かもしれないが、安全が保証されなくなる。安全第一を考えると、お金と日程はできるだけ余裕をもって旅程を決めたい。

ところで、バイクと車はどちらがお金がかかるかは、ガソリン代と宿泊費の天秤になる。キャンプが危険なユーラシア大陸では、バイクは必ずホテルかホステルなどになる。一方車は車中泊が可能で簡易的なキャンピングカー仕様にしておけばなかり費用が浮かせる。高速代がかからないユーラシアでは車種をうまく選べば車のほうが安くなる。EUに入ればオートキャンプ場が沢山あるので、上下水道や電源がほしいときは活用したい。

準備には手続きやテストを含め車なら半年、バイクなら1年はほしい。車はある程度無駄なものも持っていくことができるが、積載量の少ないバイクは夏と冬の用品を厳選したい。特にアウトドア用品はかさばるので、ロシア経由の横断ならキャンプをしないと考えるのも一手。テント、シュラフ、マット一式が不要になる。料理をせずお湯をわかすだけと割り切るのもいい。クッキング用品、バーナー等が不要になる。ラーメン用コッヘルとマグカップがあれば大抵のものは用が足りる。アウトドア用品で一番活躍したのは保温ボトル。毎朝ホテルで熱いコーヒーを入れて走り続けて疲れたときに飲むと生き返る。

余談だが、最短でも1ヶ月半から2ヶ月間、誰と旅をするかは旅のクオリティを左右するので慎重に決めたい。なぜならば相方に事故や怪我があった場合、自分の旅を犠牲にしなければならないからだ。最近ではツアー会社が企画したバイク横断ツアーがあるが、自分が参加することを想像すると周りの参加者にひきずられてやりたいことが本当にできるのか疑問符がつく。危険なルートをお互い協力しあって乗り越えるのはいいが、そうでないところは自由に動けるほうがいい。

ユーラシア大陸横断は男子の夢なので、ぜひ家族や彼女も応援してほしい。アフリカや南米縦断よりは危険が少ないので体力の落ちたシニアや資金的に余裕がない学生にもオススメできる。