113、バーリ・クロアチアへのフェリー(イタリア)6

イタリア半島は長靴に例えられるように縦に長く、横に短い。重要な都市はすべて靴の正面側に位置している。イタリアは上をスイスアルプスで塞がれて、3方は海なので陸の孤島みたいになっており、比較的外敵から守りやすい地形だ。ローマが邪悪なユーラシア大陸から背を向けるように位置して繁栄したのもよく分かる。日本も東京や大阪など重要都市が中国大陸から最も離れたところに配置されているのも同じ理由なのだろう。

ナポリから東に進み、車で4時間でついた「バーリ」はアドリア海の港湾の要所で「クロアチア」「モンテネグロ」「アルバニア」の3国へフェリーを出している。

今や世界中のフェリーはネットでチケットが買える。僕が買ったのも「ダイレクトフェリーズ」という日本語化されたサイトだ。予約確認のメールを窓口に持っていってチケットと車に貼る用紙をもらう。

https://www.directferries.jp/

イタリアの「バーリ」からクロアチアの「ドゥブロヴニク」までが、車1台、人1人で個室をとってたったの2万ちょいで行ける。乗船時間は夜10時に乗って朝8時につく。

かなりの数の乗用車やトラックが待っている。日本のようにきちんと列を作って待たないのがイタリア流。なんとなく適当に車を置いて運転手はどこかへ行ってしまう。たぶん友達と飲んだくれているのだろう。

夜8時にフェリー到着。思ったより大きい。

フェリーでイタリアを出国する。皆大阪ー北九州フェリーのような気軽さで乗り込んでいく。列を作って待っていない上に、数が多いので次から次へ割り込む輩もいて血気盛んなイタリア人が大声で言い争っている。日本人からすれば当然そうなるのは夕方からわかっていたので少し引いてしまった。

バイク軍団も続々乗り込む。

アドリア海をまたぐフェリーは相当オシャレではないかと思っていたのだが、残念ながら乗り込んでみると昭和のフェリーそのものだった。個室は2畳程度の狭い空間で、簡素な2段ベッドだけがありエンジン音が響くいかにも昔のフェリーで寝るのに苦労した。

明日はいよいよ、「紅の豚」で有名なドゥブロヴニクだ。期待がふくらむ。